一生懸命育てていても愛着障害になることがある

毎日、一生懸命子どもを育てているのに、子どもが反抗的であったり、親の気持ちをわかってくれないなと思うことがあるかもしれません。

昔から、「親になってみて、初めて親の気持ちがわかる」という言葉があるように、親の立場を経験してみないとわからないことも、たくさんあるでしょう。

しかし、近年「愛着障害」であったり、「インナーチャイルドの癒し」など、幼少期の傷をテーマにしたお話をよく聞きます。

皆さんの中にも、親からの愛はあったと思うが、根本的に「愛されていた」と感じられていない人もいるのではないでしょうか。

愛着障害が一般家庭でも起こる

愛着障害というのは、ネグレクトや、児童虐待など、親から愛情をもらえなかった人がなると思われています。

しかし、親が一生懸命、愛情を与えているつもりでも起こるのです。

それは、親が与えている愛と、子どもが求めている愛がずれている時に起こります。

例えば、子どもは、親とお話がしたいのに、親は、子どもの習い事の月謝のために働いて、会話をする時間がない・・・など、「良かれと思って」という出来事が、往々にしてあります。

では、どのようにしたら、親の愛と、子どもの愛が一致するのでしょうか?

愛には5つの言語がある

ゲーリー・チャップマン著「愛を伝える5つの方法」で、愛の言語は5つあると書かれています。

本書の中では、この5つの言語のうち、一番喜びを感じるものが、それぞれ違うと言われています。これを、愛の第一の言語と言います。また、愛を感じると、それが段々とタンクにたまっていきます。その愛のタンクを「ラブタンク」と表しています。ラブタンクが満タンの人は、心が安定し、自分は愛される存在なのだと思えると言います。では、5つの愛の言語をご紹介します。

・肯定的な言葉

人は誰もが、肯定的な言葉を与えてほしいものです。しかし、なかなか素直に与えられないのも事実。

例えば、子どもに宿題をしてほしいと思っているとします。しかし、子どもは、お母さんのために絵を書いてくれました。素直に、喜べるでしょうか?「宿題をしなさいって言ってるでしょ!」と怒ってしまったりしませんか?

お母さんを喜ばせよう!と頑張る子は、肯定的な言葉が、愛の第一言語と言えます。

・クオリティタイム

クオリティタイムとは、お互いの時間を共有し、大事にすることです。

例えば、ゆっくり食事を囲むとか、同じテレビを見て、楽しみを共有する時間のことを言います。現代社会は、スマホで見たいものが見られようになり、同じ空間にいながら、別のことが簡単にできてしまう時代になりました。

クオリティタイムは、意識して取らないと、取れなくなってきたと言っても過言ではないでしょう。

一緒にゲームをやろう!とか、一緒に何かをしたいという子は、クオリティタイムが愛の第一言語でしょう。

・贈り物

お子さんの中に、自分で折った折り紙や、絵など、ことあるごとにプレゼントをしてくれる子はいませんか?

その子は、贈り物をすることで、愛情を表現してくれています。贈り物が、愛の第一言語なのです。

・サービス行為

サービス行為は、その人がしてほしいと思うことをしてくれるということです。

例えば、プレゼントでも「自分がほしいもの」がほしいとか、望みがはっきりしている子がいます。自分の「してほしいことをしてほしい」というサービス行為が、愛の第一言語なのです。

・身体的なタッチ

日本には、添い寝の文化があり、小さい頃は、べったり育児が比較的多い国です。しかし、大きくなるに従って、親子間での触れ合いは減っていきます。思春期になると難しいですが、小さい頃に抱っこをよく求める子は、身体的なタッチが愛の第一言語であることが多いでしょう。

大きくなり、触れる機会が減ったときは、軽いタッチや、マッサージなどで交流すると良いでしょう。

親子の第一言語が違うことで生じる誤解

親の愛の第一言語と、子どもの愛の第一言語が違っていると、お互いのためにやっているつもりなのに、相手が喜ばない、反発するということが起きてきます。

この誤解がどんどん大きくなり、溝が深まると、親子関係が悪化する可能性があります。最悪の場合は、愛着障害などの精神的不安定状態を引き起こします。

愛着障害を引き起こすと、スマホ依存になったり、家庭内暴力になったり、自傷行為をしたり、様々な形で障害が起きます。

これは、親子関係だけでなく、夫婦関係でも同じことが言えます。

お互いが、大切に思いあっているのに、通じないのは悲しいことです。

一度、愛の言語について考えて見てはいかかでしょうか。

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