不登校は自己分析ができるチャンス

突然ですが、あなたは何が得意ですか?
何が苦手ですか?
何が好きで、何が嫌いですか?
自分のことなのに、意外と答えられない人が多いんです。
日本人は、自己分析が苦手なんですって。
皆さん、ご存知でしたか?
今日は、自己分析について、考察して行こうと思います。

周りの反応が気になる子どもたち

小さい子どもに、何が好き??と聞くと、みんな目を輝かせて、思い思いに好きなことを教えてくれます。それなのに、大きくなるに従って、周りに合わすことを覚え、自分の好きなものさえ、表現をためらう子どもたちがたくさんいます。
何故なのでしょうか。

正解が一つに絞られる学校

日本の学校は、1+1=2のように、正解が一つしかない問題が多いと言われています。しかし、アメリカでは、そんな問題に加え、「答えが10になる問題をできるだけ書きなさい」というような問題があります。
解答は「1+9、2+8、3+7、4+6、5+5・・・」のように、いくつもの正解があるのです。中には、引き算や、掛け算で答える子もおり、それも正解なのです。
実は、これが、子どもの心理に、大きく影響しており、「正解は1つであり、みんな同じ答えになるのが当たり前」という意識が根付いてしまいます。
これが、不思議なことに、自分を表現するときも、みんなと大体一緒であった方がいいと思い込んでしまうのです。
私自身、小学校の卒業文集で、本当の将来の夢を書くことができませんでした。当時、女優さんに憧れていましたが、周りに何を言われるかわからない・・・という不安から、当時習っていた、エレクトーンの先生と書いていました。なりたいものより、今習っていて、なれそうなものを書いていたのです。
私だけかな?とも思いましたが、お友達が、「なんて書いた?」と聞き合って、答えを合わせていた姿を見て、みんな、周りが気になるんだな〜と思った記憶があります。

就職活動で問われる自己分析力

そんな感じで、周りに合わせながらなんとなく進学をしていき、就職の時期になるt、急に「あなたは何ができますか?何が得意ですが?何が好きですか?」と聞かれます。
しかし、周りに合わせて、答えを出してきたので、当たり障りのない答えしか出ず、就職活動で苦労した・・・という話をよく聞きます。
実は、人口が増え続けていた成長社会では、みんなと合わせた答えでよかったんです。何故なら、消費者が多いため、右に習えで、大量生産して物を売ることができたから。同じクオリティを出すことが必須だったのです。
しかし、日本は2008年を機に、成熟社会に入りました。少子高齢化が進み、消費者が減り、物が売れない時代がやってきました。また、多様性が認められる社会になり、個性がないものは淘汰される時代となりました。
個性を出せない学校と、個性を求める社会のズレが生じたのです。

自分と向き合うしかない不登校児

不登校になると、周りと合わせる機会がなくなります。それと同時に、向き合う人間は、自分しかいなくなります。
何故、自分は学校に行けないのか、行かないのか。
何故、朝になるとしんどいのか。自分は、何をしたらいいのか。何故、何もしたくないのか。自問自答を繰り返します。
その中で、自分のやってみたいことを始めたり、楽しみを見出して行ったりします。

自分という人間が分かっている子

あるとき、ゲームが好きで、お友達とオンラインでゲームを作っている不登校児に出会いました。

ある日、その子に
「ゲームを作るのが好きなら、他のものでも作れるんじゃない?」
と聞きました。そうすると
「多分、作れるけど、俺は0→1の人間じゃないから。1を10にするのが好きな人間やから。誰かが作ったゲームを、より発展させたい。」
という言葉が返ってきました。

人間には0→1を得意とする人(起業家に向いている人)と、1→10(企業を発展させていく人)がいます。
自分は、どっちが得意なのか?を知っている人は少ないでしょう。
それだけでも、目指す道は変わってきます。

時間は無駄にはならない

不登校児をみていると、一見時間を無駄にしているように見えることがあります。その姿を見ていると、不安に駆られる親御さんも多いと思います。
その不安から、否定的な言葉がけをしてしまうと、子どもたちは心を閉ざし、何も話してくれなくなります。
子どもが夢中になっていることが、親の願うもの(勉強など)ではなかったとしても、必ず子どもたちは、自分と向き合い、成長しています。その成長に気づけるかどうかは、親御さんの接し方次第ではないでしょうか。
どうか、子どもの成長を信じてあげてくださいね。

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